関西の春の味覚「くぎ煮」で親しまれているイカナゴの稚魚、シンコの漁が、大阪湾と播磨灘で一斉に解禁されました。
このうち、淡路島ではそれぞれの港から夜明け前に漁船が出港。大阪湾の沖合で解禁時刻の午前6時10分を待って一斉に網が下ろされました。
イカナゴは稚魚のシンコを「くぎ煮」と呼ばれるつくだ煮にしてそれぞれ家庭で作る風習があり、関西の春の味覚として親しまれています。
大阪湾と播磨灘でのことしのシンコ漁は、「不漁」と見込まれていて、解禁日は1993年以降で最も遅かった去年などと同じ。
淡路市の生穂漁港に水揚げされたシンコはさっそく競りにかけられ、例年より高値の25キロあたり6万から8万円で取り引きされていました。
一方、明石では林崎など市内3つの漁協がしけのため初日の漁を中止に。
イカナゴのくぎ煮を作ろうと買い物客が押し寄せた「魚の棚商店街」では、多くの店でこの日の入荷が分からない状況の中、淡路市の岩屋漁港などから仕入れることができた店ではイカナゴを待ちわびた客の喜ぶ様子が見られました。
「魚の棚商店街」ではあす以降の明石でのシンコ漁に期待するとともに、別の漁港からもシンコを仕入れたいとしています。