オンラインゲームやSNSにのめりこむ「ネット依存」の低年齢化が深刻化する中、
この対策として、兵庫県は毎年夏にある取り組みを行っています。
子どもたちの5日間に渡る「脱ネット」生活に密着しました。
姫路港からフェリーでおよそ40分の位置にある西島。
自然に囲まれたこの島は、携帯電話の電波がほとんど届きません。
夏休み中の子どもたちが、ここで、インターネットから離れる「オフラインキャンプ」に挑戦します。
今や、大人も子どもも生活に欠かせない、「ネット」。
子どもたちは、5日間のキャンプで何を学び、感じるのでしょうか。
西宮市に住む、小学6年の伊藤偉成くん。
今回のキャンプに参加した1人です。偉成くんは、学校が休みだと、1日中ゲームやスマホに夢中になることも多いそうです。
ゲームをしながら、スマートフォンで動画も見て…。
ゲームやスマホがやめられない、小学5年生から高校2年生までの14人が参加した今回のキャンプ。
子どもたちの「ネット依存」への対策として、兵庫県が毎年開いているもので、ことしで4回目。子どもたちは、5日間大学生との共同生活を送ります。
食事を終えた子どもたち。ある部屋に、一目散に走ってきました。
実はここは、キャンプ中でも電波が届く唯一の部屋で、毎日1時間設けられた自由時間に開放されます。
初日、部屋はあっという間に子どもたちでいっぱいになりました。
外で遊ぶか、ゲームやスマホをするか、それは子どもたちの判断に委ねられています。
キャンプ2日目。子どもたちは、自分たちのネットの利用状況を確認します。
内閣府の調査によると、スマホの普及率はこの5年間で、小・中・高校生いずれも右肩上がり。2018年度には、小学生でも半数近くがスマホを所有している結果となりました。
さらに、ネットの使いすぎで生活に支障が出る、「ネット依存」が疑われる中高生は、全国でおよそ93万人いると言われています。
今回、子どもたちはキャンプを通じて、ネットの世界では味わえな
い、人との出会いや、「現実」での感動を体験します。
偉成くんも、みんなと夏を満喫しました。
ネットとの付き合い方を考えながら、偉成くんはキャンプの自由時間全てをゲームに費やしました。
最終日。5日間のキャンプももうすぐおしまいです。すると偉成くん… お世話になった大学生たちに手紙を渡しました。朝早くに起きて、こっそり書いていたのです。
偉成くんは、キャンプの中で、人と触れ合う大切さを学んだようです。
キャンプで学んだネット以外の楽しさ。
子どもたちが変わるきっかけは意外と近くにあるのかもしれません。